【デザイナー紹介】コーア・クリント

Kaare Klint(コーア・クリント)　1888-1954

デンマーク・コペンハーゲン近郊のFrederiksberg生まれ。
父親のイェンセン・クリントも建築家であることから、王立美術大学建築課にてカール・ピーターセンのもと建築を学びます。その後独立し、自身の事務所を構えます。
1923年に王立アカデミー・デザイン部門の新設に尽力し、1924年に初代主任教授となります。人間工学に則ったデザイン、過去の優れたデザインから学び新たなデザインを作りだすリデザインの考えなど、彼独自の思想を生み出し、『デンマーク近代家具デザインの父』と呼ばれることとなりました。ここで学んだ教え子にはオーレ・ヴァンシャー、ボーエ・モーエンセン、ポール・ケアホルムなど、デンマークを代表するデザイナーを多く輩出しました。
自信の代表作としてはファーボー美術館のためにデザインされたファーボーチェア、コロニアルチェアをリデザインしたサファリチェア、バルセロナ万国博覧会にて金賞を受賞したレッドチェア(バルセロナチェア)などがあります。またクリント家にてオイルランプの光を和らげるために羊皮紙を織り上げたランプシェードが発端の、照明メーカー『LE CLINT』を1940年代に息子とともに設立しました。
この様に建築家、家具デザイナー、そして教育者として、デンマークのモダンデザインは彼なくしてはなかったというほど、多大な影響を残したのです。

【参考資料】 グルントヴィ教会 と クリント家

こちらはデンマークの首都コペンハーゲンの端にあるグルンドヴィ教会、デンマークの啓蒙者であり、賛美歌を作曲したグルントヴィを記念して建てられた教会です。

1913年にコーア・クリントの父であるイェンセン・クリントがコンペを勝ち抜き、第一次世界大戦終了後の1921年に工事開始となります。1927年の彼の死後は息子であるコーア・クリントに引き継がれて、父親のスケッチをもとに建設を進めていきます。ここで彼は、チャーチチェアと小さなパイプオルガンをデザインしました。そして息子のエスベン・クリントが教会の象徴となる大きなパイプオルガンとシャンデリアを設計し、親子3代に渡る壮大な設計となった教会は1940年にやっと完成となったのです。

買い付けの際には時間を見つけては、私たちの販売している家具の時代背景や文化をより理解できるようにと、美術館や教会などに出向くようにしています。そうして吸収したものを販売する際にお伝えして、お客様にもより北欧を知っていただくことができればと思っております。

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