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【北欧だより・ART】Ny-Carlsberg Glyptotek
2019年1月18日
せっかくのオフなのだからどこか遠方へ行こうかとも思いましたが、小雨混じりの冬の日…疲れも溜まっているので…コペンハーゲン中心部にある美術館「Ny-Carlsberg Glyptotek」へ行くことにしました。
こちらはデンマークを代表するビールメーカー・カールスバーグの創設者の息子Carl Jacobsenが寄贈した作品を中心とした美術館。中央駅からも徒歩で行くことのできる距離にあり、買付中はほとんど郊外ばかりの私たちには久々の都心です。
入り口を入ってすぐに目に飛び込んできたのは、このウィンターガーデン。重厚感ある外観からは想像がつかないほどの、眩い光が溢れていて驚きました(館内は作品も含めて撮影可能でした)。
中にあるベンチの他に両側にはカフェもあり、皆さんお楽しみのよう。私たちはまだカルダモンロールでお腹が一杯のため、今回は我慢。。
名前の後ろについているGlyptotek=彫刻陳列館ということで、収蔵作品のメインは彫刻。ガーデン内にもこんな風にゴロゴロとしています。
3つの建物から構成される美術館の最初は、1897年にVilhelm Dahlerup設計の古典主義建築。これまた美しい天井〜。
ロダンなど比較的馴染みのある彫刻作品などからスタートした展示ですが、その量に驚かされます。間近で確認できるので刻りの息遣いを感じられるといいますか、とにかくサラッと見ることができません。
中にはエドガー・ドガの彫刻が大量にある部屋も!バレエを主題とした絵画のイメージが強い彼ですが、彫刻作品の踊り子たちにはまた異なる魅力がありました。
彫刻の他にはデンマーク絵画やフランス絵画も。
展示室にも降り注ぐ自然光が美しい。
展示室では作品と合わせて部屋ごとに変わる壁の色合いにも惹かれました。絶妙なペールトーンかと思えば、グッと引き締まった濃い色味の部屋もあり、よくあるホワイトキューブの美術館にはない深みを感じますね。
ウィンターガーデンを超えた2つ目の建物は、1906年にHack Kampmannによる設計。ギリシア神殿を模したホールには、柱の間に大きな大理石の彫刻が並び、こちらも大迫力!そんな中でもアルネ・ヤコブセンのセブンチェアがしっくりとはまっているのは、普遍的な美しさがあるからかしら。
窓のない1階・地下階には、エジプト・メソポタミアなどの古代美術のコレクション。ほとんどお目にかかることのない作品群、カールさんのコレクションの多様さに驚きます。。そしてあまりに膨大に見られるので、貴重な作品というよりはより身近に感じられ、象形文字も面白く感じてきたり。。
企画展は3つ目の棟にて、こちらは1996年に建てられたHenning Larsenによる設計です!豪華!
この時は運よく「Odelon Ledon / Into the Dream」の会期中。デンマークで過去最大のルドンの企画展ということで、150を超える作品が一堂に会していました。これほど多いものは日本でも見る機会はなさそうなので、じっくりと味わって。。
幻想的というか不気味というか…ファンタジーを描く「黒の時代」の作品を飾る部屋は壁まで黒。木炭などの画材も合わせて展示してあり、真鍮フレームのガラスケースも素敵。
その後すぐに同時代の画家の作品を展示した部屋を設けてあり、ルドンの異色さをより際立たせていました。
途中の回廊。一世紀を超えた重厚感ある建物への増築は、新しい建造物よりも制約があって大変そう。
2階、3階と上がるごとに年代も移り変わり、作品も柔らかい色合いに変わっていきました。展示室の雰囲気もガラリと変わってますね。
部屋の片隅に置かれた監視員さんたちの椅子は、Hans J. WegnerのThe chair。さすがデンマークです。。
常設展からはじまり、とても美術館ひとつの量ではない作品群に、企画展まで見終えた後はヘトヘト。。とはいえ大充実で、とても楽しいひとときでした。
おまけ。ラウリッツェンの照明 Radiohus Pendel の大サイズが、がこんなに小さく見える!