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【ART・ARCHITECTURE】脇田美術館 / 吉村順三設計のアトリエ山荘へ
2022年9月 5日
吉村順三設計のアトリエ山荘を見学するため、軽井沢にある脇田美術館へ行ってきました。
公開は年に数日のみ、さらに3年ぶりの公開ということで、電話予約を終えた1ヶ月ほど前からとても楽しみにしていました。場所は旧軽井沢のメインのエリアから程近いはずなのに、喧騒から離れた緑に囲まれたひっそりとした雰囲気。美術館でゆっくり鑑賞した後に、館内奥にある入り口を通り抜けて隣接するアトリエ山荘へと進みます。
ここは戦前より活躍した洋画家の脇田和氏がアトリエとして構えた山荘で、同じく東京藝術大学にて教鞭をとっていた吉村順三に設計を依頼したのだそう。
設計するにあたっての注文は庭に池を造ることでしたが、基礎杭を打った際に水が抜けてしまい芝生の庭へと変更に。湿地帯ということで2階床までがコンクリート造で、1階はほとんどがピロティが占めています。
こちらの部分はボイラー室になっていて、オンドルのような床暖房で-20度にもなる寒い冬も暖かく過ごせたそうです。
階段を上って木造の2階部分へ進むと、くの字の真ん中あたりのリビングルームへと到着。
開け放たれた窓際には脇田氏とも親交のあったジョージ・ナカシマのニューチェア。春に拝見したジョージ・ナカシマ展を思い出しつつ、当時のままの設えの中でチェアに座って思いを馳せます。。
この開口部、雨戸、網戸、ガラス戸、障子までのすべてが戸袋に引き込まれる設計。内と外が一体となった風の抜ける気持ちの良い空間、軒裏にも天井板が貼られているのでより広々と見えるのですね。
反対側を見ると2つの備え付けソファが鎮座。1970年設計当時のままのファブリック類の色味は生地サンプルから脇田氏が選んだものですが、案内していただいた方の話ではこの色味になることを吉村氏も想定していたのだそう。
暖炉側のブルーのソファは背を外すことでベッドにもなるデイベッド。画家の住居らしい素敵な小物が壁面を飾っています。
デイベッドから見えるのは食堂とその奥にキッチン。天井は地元産のカラマツで、こっくりとした飴色に経年変化してますね。
明るく親密な空間。。
リビングから奥へと進む廊下もすてき。。
そして奥のアトリエ、書庫、画庫へ。
イーゼルの前にはピルッカスツール!
洋画を描いていた脇田氏の筆コレクション。
机の上にもチャーミングなガラクタたち。
じっくりと見たい本棚ですが、見学時間が迫っていて駆け足となってしまい残念。。
端にあるアトリエからはもう一方の端がよく見えるのですが、そこは寝室などのパーソナルな空間と最奥には夫人のためのスペースとなっているのだそう。「ここから先生は奥様に話しかけていたのですよ」と当時の裏話を伺いつつ、くの字の建物らしいエピソードだなぁと笑みが溢れるのでした。
まるで今でも暮らしているかのような温かみのある空間で、モダニズム建築好きな私としては本当に嬉しい機会となりました。
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