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【ART】東京都美術館 / Finn Juhl and Danish Chairs展
2022年10月 5日
移転作業で慌ただしく過ぎてゆき、気がついたら10月に。雨の滴る上野公園にやってきました。
お目当ては東京都美術館で開催している「フィン・ユール」展。会期内にはまだまだ余裕があると思っていたのに気がついたら最終週…駆け込みで行くことができました。
以前はそんなことはなかったかと思うのですが…屋外での建物撮影も不可となったそうです。「美術館名やポスターの部分でしたら大丈夫ですよ」とのことでした。
前川建築を撮影できないのは無念。。
ウェブサイトに「最終週は混雑が予想されます」とのアナウンスがあったので覚悟していたのですが、オープン直後だからか待ち時間なくすんなり入ることができました。
《今展覧会フライヤー・オモテ面》
フライヤーにはフィン・ユールデザインの椅子がずらり。
エレベーターを降りて地下1階からのスタート(会場内は場所ごとに撮影可/不可が別れていました)。
展覧会は3章から構成されており、まず第1章「デンマークの椅子」ではデンマークのモダンデザインの始まりを時代背景とともに分かりやすく紹介。鑑賞している方の年齢層は幅広く、皆さんが興味を持ってくれていることに嬉しく思いながら記憶のおさらいをしていきました。
およそ30年間に生み出されれた椅子が一望できるコーナー。これら会場内に見られる貴重な椅子の大部分は「織田コレクション」の協力。大学で教鞭を取っていた北海道旭川在住の織田先生は椅子の研究家として本も出されていたり、椅子のコレクターとしても知られています。前職場でサリュオーナーは織田先生の旭川の自邸にご招待いただいたことがあり、見るだけでもとても勉強になり美術館の様だった〜話していました。
《 Arne Jacobsen / Giraffe Chair》
手前に写っている「ジラフチェア」はヤコブセンがSASロイヤルホテルのためにデザインしたものですが、同じくSASのために作られて商品化されたお隣のスワンチェアとは異なり、こちらは商品化されずSASのためだけに作られた貴重な一品。ウッドレッグが際立っています!
《Drop / Arne Javobsen》
こちらもヤコブセンの「ドロップチェア」、飴色のレザーが美しく経年変化し、銅メッキの脚部との一体感が素晴らしい。。
これらはデンマーク近代デザインの父コーア・クリントの教え子世代にあたる方々の作品。現在お店で販売しているモーエンセンのデイベッドも並んでいました〜(上段左から2番目 )。
年を追うごとにデザインの傾向が変わっていくことも実感できる見せ方ですね。
ホワイトキューブの美術館とはまた異なる魅力の、前川國男設計の東京都美術館を堪能できる吹き抜けエリア。今回は展示品と同時代に設計されているゆえか、建物との親和性がある様に感じます。そういえば改修工事後に館内のアート・ラウンジでフィン・ユールのソファやテーブルなどが使われているので、マッチしているのは言わずもがなのことかもしれませんね。
エレベーターをさらに降りた地下2階、第2章「フィン・ユールの世界」へ。
木工職人としての知識もある1章で紹介されたデザイナーたちとは異なり、家具デザインは独学だった建築家のユールは異端な存在として彫刻的な作品を生み出していきました。
《Finn Juhl / Easy Chair No.45》
この曲線!
《Finn Juhl / Cheftain Chair》
1949年の展示会に出品され、見学に来た国王が腰掛けたという逸話を持つもの。国王の椅子と名乗るのは恐れ多いということで、酋長の椅子と名付けられました。元々は自邸の暖炉脇で使うための椅子としてデザインされたもので、コペンハーゲン郊外の自邸を見学した際にまさに暖炉脇に置かれていました。
そして最後の第3章は「デンマーク・デザインを体験する」。貴重な椅子の数々を見た後の最終章では、現行品の椅子やソファを自由に座ることのできるコーナーとなっていました。
ウェグナーの言葉にも「椅子は誰かが座ってはじめて完成する」というこもがあり、これは嬉しいコーナーですね。
この展覧会で改めてデンマーク家具の美しさを実感することができました。今後もそんな貴重な家具を次の世代へと受け渡すべく、より仕事に励まねばと気が引き締まる思いで会場を後にしたのでした。