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【ART】テート美術館展 光 - ターナー、印象派から現代へ
2023年8月17日
お盆期間も終わったのにまだまだ残暑厳しく、この日も朝から気温は上昇。。
そんな時は美術館で涼みながら過ごそうと、六本木にある国立新美術館へやってきました。
エスカレーターをのぼると円錐状の上に見えるのはカフェ。開館間もなくカフェが閉まっている時間帯だったので、中のYチェアがよく見えます。
いくつか同時開催中の館内でのお目当ては企画展「テート美術館展 光 - ターナー、印象派から現代へ」(会場内は一部の作品やエリアを除いて撮影可能でした)。
英国のロンドン中心部にあるテート美術館コレクションから、選りすぐった120点を一堂に会した展覧会。一度訪れてみたいと思っていた美術館なので、楽しみにしていたのです。
16世紀〜現代美術までと7万点以上を誇る膨大なコレクションからどのように紹介されるのかしらと思っていたら、『光』をテーマにキュレーションされているというから、なんて素敵なテーマだろうと期待が膨らみます。
《ウィリアム・ターナー/陰と闇 ー 大洪水の夕べ》
まずはイギリス19世紀を代表する風景画家、ウィリアム・ターナーよりスタート。ノアの方舟をテーマにした作品では、暗闇に差し込む”光”に焦点が当てたもの。
《ウィリアム・ターナー/湖に沈む夕日》
その後は風景とはいうものの描いている対象が不明瞭となり、色彩と”光”で風景を描いた作品へと変わっていきます。これを直に見ることができただけで、来た甲斐があるなぁ。。
《ジョン・エヴァレット・ミレイ/露に濡れたハリエニシダ》
朝露に当たる”光”をとらえた神秘さを感じる作品、知らない画家のでしたが大きな作品で圧倒されました。
《クロード・モネ/エプト川のポプラ並木》
光といえばのモネですが、睡蓮の庭ではなくポプラ並木を主題としたもの。
我らがデンマークを代表する画家のハマスホイからは2点。締め切られた窓にドアノブのない扉、静謐さ漂う部屋に差し込む”光”。日本でも評価が高まっているのか、ここ数年は展覧会で見かけることも多くなって嬉しい限り。
その後バウハウスの”光の効果”を学ぶ章があって、
《ワシリー・カンディンスキー/スウィング》
”光と色”の関係へ。年代順に進んでいくのに”光”という柱があるからこそ、多くの作家の作品がごちゃごちゃせずに道筋だっているのは面白いですね。
《ゲルハルト・リヒター/アブストラクト・ペインティング(726)》
そして格別の存在感を放つリヒター。
絵の具を厚塗りした抽象画のカンバスを引っ掻くスキージーの跡。
6章《光の再構成》では近代から現代アートへ。
《ジュリアン・オピー/雨、足跡、サイレンほか》
人物モチーフのアイコンのような作品が真っ先に思い浮かぶオピーの、初めて見るフォト作品。
《オラファー・エリアソン/黄色vs紫》
デンマークの現代を代表するアーティストのエリアソンからは2つの作品。
《オラファー・エリアソン/星くずの素粒子》
こちらは展覧会場最後を飾る作品。
キラキラ、ガラスを反射して光り輝く作品。私がテート美術館に行ってみたいと思ったのは、以前何かで紹介されていたテート・モダンで発表されたエリアソンの夕日をモチーフとした作品を見たから。こうしてまた異なる”光”を主としたインスタレーションを、この日本で身を置くことができて心から感動して会場を後にしました。
さすが世界巡回のものすごいボリューム、テート美術館のひとつの側面をとても楽しく紹介してもらえた見応えのある展覧会でした。
会場を後にする頃には、集中力を使い果たしてグッタリ。。