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【京都さんぽ・ART】京都市京セラ美術館/村上隆もののけ京都 展
2024年5月 1日
東山を望む日本庭園には13mを超える金色に輝く彫刻作品《お花の親子》とルイ・ヴィトンのトランクのインスタレーション。関西蚤の市の会場へ通いながら毎日眺めていた像にやっとご対面です。
その庭園に隣接するように建っているのが現代美術展示室の”東山キューブ”。
本館の旧東玄関を抜けた先にガラスウォールが見え、ホワイエのような空間となっていました。
正面に見える以前の外壁が室内となっているのが面白いですね〜。さて右側に見える増築した現代美術ギャラリー”東山キューブ”へと進みます!
《今展覧会フライヤー・オモテ面》
日本では8年ぶりの個展ですが、これが日本で開催する最後の展覧会になるかも…なんてインタビューで仰っていたので、機会があれば良いなぁと思っていたところだったのです。
《今展覧会フライヤー・ウラ面》
入ってすぐの壁面には一面を埋め尽くす《もののけ洛中洛外図》。岩佐又兵衛による《洛中洛外図屏風(舟木本)》を会場に合わせて3〜4倍に拡大し、村上テイストを混ぜて作画した大作です。
日本の伝統的な絵画の平面性と現代のポップカルチャーやアニメーションに共通した概念「スーパーフラット」を提唱する彼ゆえの一枚で、金箔部分にドクロが見えたり、村上氏のキャラクターがいたりと、見れば見るほど興味の尽きない一枚。
暗幕を開けて入った8角形の部屋、目が慣れてくりと4枚の絵がはっきりと見えてきます。東西南北それぞれの壁に描かれているのは平安時代から語られる四神。
こちら四神のうちの《朱雀》。
白虎の下に描かれた小さな虎が可愛らしい。。
京都という土地の持つ歴史や時代背景を昇華しているからこその作品なので、切り取られた現代アートではなくちゃんと京都と馴染んだ美術作品になっているのです。
お次の部屋はお馴染みDOB君がさまざまな今を纏った《DOB往還記》、
《金色の空の夏のお花畑》
琳派の絵師たちが描いた風神雷神は、21世紀版として何とも気の抜けた《風神図》《雷神図》へ。
そんなポップカルチャーの中で一際目を奪われたのは、
雲龍赤変図《辻惟雄先生に「あなた、たまには自分で描いたらどうなの?」と嫌味を言われて腹が立って自分で描いたバージョン》
この長〜いタイトルの作品は美術史家の辻惟雄氏との芸術新潮誌での連載「ニッポン絵合せ」から生まれたもので、曾我蕭白の雲龍図の村上バージョン。現代アートからのすごい振れ幅に驚いて、しばし眺めていました。
今回はほとんどの作品(160点以上!)が新作という驚きの展示で、京都という土地で日本画の系譜に並ぶ作品群を体感できて本当に貴重な体験となりました。
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