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【ART】東京国立博物館/内藤礼「生まれておいで 生きておいで」
2024年7月30日
この日は朝から東京へ、渋滞に巻きこまるものの湾岸の爽やかな景色に癒されます。
横浜ベイブリッジでは富士山を望むことができました〜。
仕事のサリュオーナーと別れ、到着したのは東京国立博物館。開館前からチケット売り場は海外の旅行者でごった返しているので事前にオンラインチケット準備は必須、列を横目にササっと入場します。
上野公園にはよく行く西洋美術館や東京都美術館など計9つの文化施設がありますが、
今日はその中のひとつ東京国立博物館の平成館からスタート。
平成館のメイン展示横を進んで目的の「内藤礼 生まれておいで 生きておいで」展へ。
《今展覧会フライヤー・オモテ面》
繊細なインスタレーションで心の深いところに入り込んでくる彼女の作品は、直島のきんざ、東京都庭園美術館、水戸芸術館の個展…と必ず足を運んでいるほど大好きなアーティスト(コロナ禍の金沢21世紀美術館には行けず残念でした)。今回はそんな内藤さんの作品だけでなくトーハク収蔵作品から彼女が選んだものと合わせて展示するという楽しみな企画です。
《今展覧会フライヤー・ウラ面》
膨大な収蔵作品12万点の中から一体何を選ぶのだろうと思ったら、縄文時代の土製品というから納得。作家のエゴや他の人からの注文など思いを介さない、自然への畏怖や祈り、生死への思いといった精神性から生まれたであろう作品が、数千年〜1万年の時を経て彼女の作り出す空間と繋がる気がしたのです。
内部の撮影は不可、平成館から次の会場本館へと進みます。展示室内には直島のきんざのように座る場所が設けられていて、靴を脱いでぼんやりと意識を解放していきます。天井から吊り下げられた無数のビーズからは空気や光の移ろいを感じ、彼女の作品はそれ自体を鑑賞するだけではなく、それが一種の装置となって普段は見えない何かに気付かされるような感覚に陥ります。
3つ目の展示室となる本館1階ラウンジへ。ここは常設の展示室を繋ぐ通路になっていて、たくさんの人が行き交っていました。通路といえど床は細かなモザイクタイル、壁、扉と豪奢な意匠で彩られています。
その中心にいつぞやの神奈川県立近代美術館で見たような作品…水を張ったグラスがポツンと置かれています(この部屋のみ真ん中の作品以外は撮影可能でした)。
それにしても素敵なのがこの壁面。漆喰の壁を掻き落として宝相華文様を入れ、タイルで飾り立てています。これは渡辺仁設計1937年竣工のこの建物ができた当初からあるもので、時を重ねて深みが増しているように感じます。
果てしない年月をかけたであろう壁面に…内藤さんの作品一部を発見(ピカリと光る丸ポッチです)。
アールデコ調の照明、まるで庭園美術館の旧朝香宮邸を思い起こします。
1日いても時間が足りないほど広大な館内に後ろ髪をひかれながら外へ。この展覧会はこれを皮切りに9月に銀座のメゾンエルメス フォーラム、さらに当館へと戻ってくる2会場にまたがる3部構成になっています。時間を見つけてすべてに足を運ばなければ!