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【ART】彫刻の森美術館/舟越桂 森へ行く日
2024年10月10日
少し足を伸ばして箱根にある彫刻の森美術館へやってきました。
入口から通路を通って進むと…
開けた広場へと到着!そう、ここは55年前に開館した日本初の野外美術館なのです。
箱根の中でも湯本からヘアピンカーブを抜けた先に位置するため、見渡す限り雄大な景色が広がっています。さっそく野外をのんびり廻ろうと思いつつ…まずはこの日のお目当のこちら本館ギャラリーへ向かい、
「舟越桂森へ行く日」へ。
《今展覧会フライヤー・オモテ面》
開館55周年記念の展覧会ということで昨年より準備が進められていた最中、今春ご逝去された舟越桂さん。生前最後にご自身が携わって準備していたということで、秋の少し涼しい時期になったら伺おうと思っていました(展覧会の会場内は撮影は不可でした)。4つの展示室からなる展覧会の最初は彼のアトリエを再現した《僕が気に入っている》からスタート。
《今展覧会フライヤー・ウラ面》
メインの展示室ではヒトやスフィンクスなどの主要な彫刻作品が点在、作品リストを見てその多くが作家蔵ということに驚きました。クスノキを削って生まれた体にはめられた大理石の瞳、その静謐さを讃える眼差しで心の中を覗かれたこちら側まで気持ちが落ち着いてくるようでした。一番印象に残ったのは展示室4《おもちゃのいいわけ》。家族のために作った木製のピノキオや絵巻物など、他の彼の作品と対峙するのとは少し異なる”あたたかな視線”を感じるもので、来て良かったなぁと心の底から思ったのでした。
そのあとは野外作品をのんびり鑑賞。
芸術の秋ということで駐車場にはたくさんのマイクロバスが停車していたのですが、子供達のバス遠足だったのですね。ここは美術館とはいえ堅苦しさはなくのびのび楽しそうにしています。
外国人観光客も多くここにもインバウンドの波を感じる中、右手の木造ドームを覗くと…
《ネットの森》というこれも体験型アート作品のひとつ。この写真の下ではたくさんの子供達がワイワイと遊んでいて、まさに五感を通してアートを体感ですね。
ピカソ館では絵画などの大作はないものの晩年の陶器作品を多数展示。前回とは異なるテーマで展示されていて、キュレーションの力で楽しく観せてくれるのは素敵だなぁと実感しました。
広〜い敷地内はとにかく歩くこと歩くこと!
青空の下でくつろぐように置かれたヘンリー・ムーア作品は格別です。
風雨にさらされてもこの状態を保っていられるのは作品の清掃をしている方々のおかげ、感謝です。
そして本館ギャラリーでは「名作コレクション+舟越桂選」を開催中。
名作コレクションの中には舟越さんの父親である舟越保武氏の作品もありました。
そして舟越桂選には、友人や以前グループ展を開いたりと舟越さんとゆかりのある5名の彫刻家の作品を展示。
そんな中でこの《オカピのいる場所》は4名の共同作品。舟越さんの思いを感じられるあたたかな展示風景で、彼の残したこの言葉にも胸が締め付けられました「みなさんそれぞれに、僕には思いつかない姿や形の作品を提示してきています。それがどんなことから来ているのかが気になる作家です。そんなことを考えて選ばせてもらいました。」本当に来てよかったと心から思う展覧会でした。