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【熱海さんぽ/ART】 MOA美術館/光琳 国宝「紅白梅図屏風」×重文「風神雷神図屏風」
2024年11月13日
朝から快晴の気持ちの良い小春日和、少し遠出をしようということで海岸沿いを南下することにしました。
凪いだ海には釣り人をあちこちで見かけました。
西湘バイパスから先に進むと見えてくる湾らしい景色は、何度見ても見飽きることなく心の澱を溶かしてくれるよう。
そして到着したのは熱海にあるMOA美術館。
今までに何度も訪れていますが、こんなに天気が良いのは初めて!高台から見下ろすと青い空とそれを映した青い海、その先にはポツリと初島が見える絶景です。
海に向かって寄り添う人影はヘンリー・ムーアのブロンズ像、この光景を見るたびにデンマークのルイジアナ美術館を思い出すのです。
ルイジアナ美術館も同じく海に面した高台にあり、芝生の広場から海を見るヘンリー・ムーア像がいるのです(海の向こうに見えるのはスウェーデン)。
巨大な建物が青に映えますね。
いざ館内へ。
エントランスも惚れ惚れする光景。
現在開催中の展覧会は 、光琳 国宝「紅白梅図屏風」×重文「風神雷神図屏風」展。
展示室前に設けられたメインエントランスには、2017年の改修工事を担当した新素材研究所(現代美術家の杉本博司と建築家の榊田倫之設立の建築設計事務所)オリジナルのベンチと…
杉本博司《海景 熱海》
この場所のためのような作品が一枚。
そして展示室への短いアプローチを見ると、
目地のない独特のやわらかさを感じる床材も新素材研究所オリジナルで、タイルではなくレンガ職人が一枚ずつ作ったもの。
展示室は普段よりも混雑していたのですが、スタッフさんが「国宝が展示されている時はやはり混み合いますね〜」と仰っていました(会場内は一部を除いて撮影可でした)。
尾形光琳《虎図屏風》/俵屋宗達《龍虎図》
今回のメインは尾形光琳の2作品の展示ということで、まずは焼き物や掛け軸、襖絵などの琳派の名品がずらり。こちら2作品はどちらも愛嬌のある表情のもふもふの虎で、思わず笑みがこぼれてしまいます。
展示品のほとんどが当館収蔵品ということにも驚きますがそれぞれに解説文が丁寧に書かれているので、それをもとにじっくりと紐解けるのもありがたい。
ランチをはさんでゆっくりと鑑賞し、
今回の一番の見どころとなる2つの屏風の飾られた展示室へ、この2作品の同時展観は39年ぶりということでこの人だかり!
尾形光琳《風神雷神図屏風》
俵屋宗達の風神雷神図屏風を忠実にトレースしたのがこの光琳作。宗達のものは以前建仁寺でレプリカ(本物は京都国立博物館に保管)を見ただけですが、琳派という流れの中で生まれた作品ということにワクワクします。
琳派というのは血縁や師弟関係ではなく先人の作品を私淑する(直接教えは受けないけれどもその人を師として模範として独自に学ぶ)時代を超えた人々を、後の人が”琳派”と名付けたもの。
100年前に俵屋宗達が描いたものを、どんな気持ちでトレースしたのでしょうか。大きさも形もほぼ同じに描き上げながらも、いくつかある異なる部分に彼の思いが込められているのでしょうね。
尾形光琳《紅白梅図屏風》
その後に描かれたこちらは風神雷神図屏風との構図などの関連性が指摘されているのですが、書籍で眺めるのとは違い直接見比べることのできる貴重な機会ということで、右に左にとじっくりと見比べての生きた勉強となりました。贅沢。。
この2作品は以前訪れた展覧会の中でも杉本博司《月下紅白梅図》であったり村上隆《風神図》《雷神図》であったりと、後世にも脈々とその思いが継がれていることを考えつつ館内を後にしました。
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