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【北欧だより / ART】CLAY / Lucie Rie 展
2025年2月18日
この日は午前中の仕事が終わった後、次のアポイントまでに時間があったので近くにある美術館CLAY Ceramics Museumに寄ることができました。
前回伺った際は霧に包まれていて分からなかったのがこの絶景、隣の島とを繋ぐ橋の近くに立地していて建物の後ろには海が広がっていました。ここは1856年に当時著名な建築家が設計した別荘建築でデンマークではあまり見られないルネサンス様式の外観、その建物を使用して1994年に前身となる美術館がオープンしました。
深みのある真紅の壁に手の込んだ腰壁、何度訪れても建物の素晴らしさに圧倒されます。
チケットを購入して荷物を預けたら、ミュージアムショップを抜けて地下にある展示スペースへ。
現在開催しているのはイギリスで活躍した陶芸家の「Lucie Rie」展、デンマークでは初めての展覧会なのだそう。
ウィーンの裕福なユダヤ人家庭に生まれたルーシー・リーはオーストリアで成功を収めていたものの、第二次世界大戦でのユダヤ人迫害を逃れるためにそのキャリアを捨ててイギリスへと移り住みました。
イギリスではほぼ無名だった彼女が始めたのはファッション業米向けのセラミック製のボタン作り、戦中の生計を支えるとともに釉薬についての知識を深めます。
壁沿いには年代順に作品を展示し、
年代によって変化していく作品の特徴を、代表作と解説文にて分かりやすく展示していました。
これぞ彼女の作品という薄く繊細なろくろ引きと、ニードルで刻まれた線。
そして晩年とは思えないエネルギッシュな作品、長いネックのボトルは制作風景を映像で流していたので、詳しい制作過程を思い浮かべながらじっくりと鑑賞していきました。
以前見た彼女の大きな展覧会は没後20年を記念した静岡市美術館でのもの。このワンフロアでの展示で凝縮して紹介されており、久しぶりに彼女の作品に触れることができてとても良かったです。
旧館の地下にある展示室を抜けてから階段を上がると、新館のミュージアムカフェへと繋がっています「Velkommen Til Cafe CLAY!(カフェクレイへようこそ)」。
以前は霧で見えなかった絶景!この美術館のあるデンマークで2番目に大きい島であるフュン島と、ドイツと国境を接するユラン半島との間のLillebaelt(小ベルト海峡)、そしてそこにかかる橋を望みます。
カウンターでお会計を済ませたら見晴らしの良い席へ。
お昼はお手製サンドウィッチで済ませているので、珈琲を1杯ずつとタルトはシェアすることにしました。
シナモンのかかったアップルパイに添えられているのは濃厚なクロテッドクリーム、甘さは抑えめですっきりとした味わいです。
それぞれの席で話に花を咲かせながら重い思いの時を過ごしている中、私たちも絶景を眺めながらくつろぐことができました。
陶器の美術館なのでまた魅力的な展覧会が開かれるのを楽しみにしています!