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【北欧だより / ART】Brandts / Lundstroms ETERNAL BLUE
2025年2月20日
移動日に当てていたこの日は午後から次の街へと移ることになり、午前中は美術館に立ち寄ることにしました。
雨予報だったのに晴れ間が見えて、建物には綺麗な影を落としています。
こちらはデンマーク第3の都市Odenseにある美術館BRANDTS。ここは他の荘厳な一棟建ての美術館とは少し異なり、元々は一帯が工業地帯の中に19世紀に建てられた5階建ての染色工場でした。
1977年に工場が移転してからゴーストタウンと化した中心地の一帯は、取り壊しの反対運動もありリノベーションされて美術館を中心としたアート施設として生まれ変わり、いくつかの美術館が合併した後の2013年にこのBRANDSが誕生しました。
同時開催されている展覧会の中で見たかったのは、青色に焦点を当てた「Lundstrom's ETERNAL BLUE」展。
Viihelm Lundstromはデンマークの近代美術を代表するアーティストで、フィン・ユール邸にも飾られていることでも有名です。
以前こちらで彼の大規模展覧会を見ましたが、今回は10枚の作品のBlueに焦点を当てたという面白い企画。
彼は自身の用いる背景をEternal Blueと称していましたが、それは一体何色だったのかを最新機械を用いて解き明かしています。
壁に映し出された映像作品では”いかにも探偵もの”といった素敵なBGMをつけながら堅苦しくなりがちなものをストーリー仕立てで楽しく解説していました。
もうひとつは他の美術館に貸し出した際の来場者の疑問から大きな修復へと発展したことを、修復師の仕事を合わせながら紹介。作品の美しさでだけではなく別の視点で作品を見るという、面白くかつとても勉強になるものでした。
そして別のフロアで開催していた展覧会へ。
「SAMLINGEN 250ARS DANSK KUNST(デンマーク美術250年のコレクション展)」ちょうど学生の課外授業に遭遇して、この壁の向こうでは1クラス分の生徒が先生と楽しくディスカッションしている真っ最中でした。
デンマーク美術の黄金時代と呼ばれる頃から、
象徴主義へ、
こちらはヴィルヘルム・ハマスホイ!
そしてモダニズム、
シュールレアリズムと1ブースごとにひとつの時代を紹介していきます。
そんな中で一番好みだったのはこの淡いペールピンクの部屋「J.W.Larsen's Collection」、ここでは20世紀を代表するデンマーク近代美術のコレクターだった地元の実業家夫妻から寄贈された、300点近いコレクションから厳選された作品を展示していました。
様々な制限下であった戦時中にはオープンハウスをして皆を楽しませ、自分たちの死後も人々に喜びをもたらせたいと寄贈したのだそう。そのあたたかな心は私も確かに受け取りました!
2つの展覧会を楽しんだ後は1階のミュージアムカフェに移動と思いましたが…時間切れで次への街へと移動したのでした。