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【北欧だより】あったかスープのランチ
2025年2月23日
この日は半日歩き回って小物を中心に買い付けていたので、終わることにはすっかりお昼時を過ぎていました。こんな時はお馴染みホットドッグで簡単に済まそうかと思ったのですが、次の予定まで少し時間があったので休憩がてら気になっていた場所に行ってみました。
ここは20世紀初頭に国鉄が資材置き場として建てたデンマークでは珍しい木造建ての納屋。広大な土地にたつ9棟の納屋はその後半世紀ほど使用されず、放置されて自然が生い茂り建物もひどい状態となっていたのだそう。
そこを近年再開発するにあたり一帯を取り壊すのではなく、自然を生かしてできる限り保存すべく建物も修復されて新たな文化基地として生まれ変わりました。日本で再開発というとほとんどが一帯を取り壊すこと前提なので、こんな場所が日本にも増えてほしいと思わずにはいられません。
そんな建物の1棟を利用したこちらはできる限りオーガニック食材を使ったベーカリーカフェ。オーナーが私たちの好きなベーカリーカフェ出身と聞いて、時間があれば行きたいと思っていたのです。
ランチメニューは終わっていたので、まずカウンターで終日メニューよりオーダー。
ショーケース内のヴィエノわずリーも美味しそうです。
天井から下がったPHランプが見慣れぬものだと思ったらPH5-RETAKE-なのだそう。これはルイス・ポールセンのサスティナブルな取り組みの一環として、製造時に細かな傷などがついたPH5の塗装を剥いで再生させたもの。この建物の理念と共通するところがありますね。
席について料理が運ばれるのを待っていると、改めて店内の素敵な様子に目が行きます。昼下がりの店内は皆思い思いヒュッゲな時を過ごしている様子で、私たちも馴染みのカフェさながらに心がほぐれていくようです。
料理はいくつか試そうと&節約もあり…2人でシェアすることにしました。
季節のスープは真っ赤なビーツ!他にはセロリ、オーツ麦などゴロゴロと入り、そこにローストしたアーモンドとケールが乗ってさながら飲むサラダのよう!
そしてもうひとつはシェフがイタリア人ということで名物のひとつとなっているピッツァからマルゲリータを。ふっくらナポリ風生地にトマトソースとモッツァレラチーズが乗ったシンプルなものですが、オーガニックということもあり素材の味わいが強く風味豊かでした。
物価の高いデンマークではレストランで食事することはほぼなく、朝晩はキッチン付きの宿で自炊、昼食はサンドウィッチやホットドッグなどの軽食がほとんど。そして時間を見つけてはパン屋さんを巡っていますが、お店で軽食以外を頼んだのは久しぶりだなぁとピッツァをいただきながら感慨に耽ってしまいます。
食後は再びカウンラーに向かいポスターにある季節のペイストリーFastelavnsballer4種類より…
「Forrest Berries」を選びました。スウェーデンで採れたブルーベリーとブラックカランとを使ったジャム、そして同じベリーを使ったクリームがパイ生地に上に乗って、クッキーで飾りが施されています。同じ形の味違いはもう2種、そしてチョコレートがけの丸パンの中にクリームの入ったFastelavnsballerはOld Fashioned(昔風の)と書かれていて、伝統的な形のものを継承しつつも新しい味を作り出しているのですね。
このFastelavnsballerの盛り上がりは最近訪れるたびに感じるもので、最初は昔風のものを見た程度だったと思います。それがJuno the BakeryがオープンしたあたりからNoma出身のオーナーなどのパン屋が増えたのをきっかけに、スウェーデンのセムラさながらの盛り上がりになってきたように思います(Junoのオーナーはスウェーデン人)。現地の友人に聞くと「以前はそういう最新のパン屋さんは都心部だけだったけど、最近は郊外にも多くなっているよ〜」と話していたので、私たちも気になるお店を探しては買い付け時の楽しみとして回っていきたいと思います。
同じ敷地内にはサウナ施設も!あと数ヶ月もすると若葉で生い茂って屋外の席もたくさんのお客様で賑わうのでしょうね。