バタバタと仕事漬けの日々もひと段落、久しぶりのお休みは疲れを癒すべく、フレンチレストランへ。

オープンと同時の店内（の片隅）を一枚だけ。カジュアルな内装で変な緊張感はなし、キッチンとはフルオープンで繋がっているのが面白いです。

そしてテーブルの引き出しにはカトラリーがスタンバイ。テーブルにずらりと並んだカトラリーには何だか威圧感があるので、気負わず気軽な印象が増しますね。

まずは、エルダーフラワーのノンアルコールでカンパ〜イ。

メニューは昼夜同じおまかせコースひとつ。まずは「自家製モッツァレラチーズ」を一口でパクリ。フレッシュでミルクの風味がどんとやってきます。

そしてL'ASスペシャリテ「フォアグラのクリスピーサンド」。ハーゲンダッツのクリスピーサンドからインスピレーションを得た一品で、小判くらいの大きさのフォアグラのムースの中にイチゴのコンフィチュールが隠れていました。

そして1つめの前菜は「ポレンタの黒トリュフ風味」。本来は「究極の牡蠣のリゾット」だったのですが、予約時に貝類が苦手だと伝えていたら、別メニューを用意してくれました。これまでに食べたことのあるポレンタ（トウモロコシ粉）を使った料理は素朴なものばかりでしたが、これは舌触りもなめらかで、何よりトリュフの風味も程よく香ってきました。

２つめの前菜は「イタリアのベッリア家から届く旬のお野菜、ラディッキオ・プレコーチェのクレープ仕立て 蝦夷鹿のラグーソース」。長い名前です。紙が敷かれていて、給仕の方に教えていただいて巻き巻き…

このまま手づかみでいただきます。ラディッキオは赤い部分はほろ苦く、下の白い部分に行くにつれて甘みが増してきます。野菜の苦味とラグーソースの取り合わせが絶妙。解禁になったばかりのジビエ 蝦夷鹿のラグーソースがとても美味しく、ソースだけ太麺パスタのパッパルデッレにたっぷり和えていただきたい！と願いました。。

ここで全粒粉の丸パンが登場。

メインの魚介料理は「北海道産 秋鮭のミキュイ」。真空調理で火を通したのかしら？といった具合のミキュイ(mie cuit＝半分火が通った・半生)な秋鮭は、全くパサつきのない独特の食感。合わせた4種のキノコとブラックオリーブのスープは酸味が効いていて、和のテイスト漂うお皿との相性も良く、名残惜しい秋の森のような一皿です。

メインの肉料理は「3週間熟成させた牛ヒレ肉の塩釜包み焼き 赤くるりのオーブン焼きを添えて」。付け合わせの大根（赤くるり）も赤、赤ワインソースも赤と、真っ白なお皿に赤のグラデーションで絵を描いたよう。塩釜焼きでしっとりと焼き上げた柔らかな食感も良く、熟成肉の旨みがストレートにやってきて潔い美味しさ。塩釜で包んだ状態を一旦席に持ってきていただいたプレゼンテーションも素敵でした。

アヴァンデセールには「ミニトマトのコンポート、バジルのジュレ」。3色の可愛らしいプチトマトの周りのジュレは、透明なのにしっかりとバジル風味。口の中をさっぱりとさせてくれました。

デザートは「カプチーノ？？」？付きの名前ですが、珈琲のムースとクランブル（崩したクッキー生地）がカップの中に入っています。フォームドミルクを上にかけてあって、これでカプチーノ仕立てになっているのですね。面白い盛り付けで楽しく味わえたのですが、スイーツ好きとしては正統派のアシェットデセール（皿盛りデザート）を期待してしまった…。

食後の「オリジナルブレンドハーブティー」でおしまい。こちらはドライアップルやレモンゼストなど8種類がブレンドされていて、複雑な味わい。ベースがアッサムだったので、ハーブティーが苦手な方の美味しくいただけるのでは。

この日の客層は3〜40代が中心で、ワイワイとした気軽な雰囲気の中で2人で寛ぎながらお食事をいただきました。しっかりとしたフルコースはいつ以来？かなり久しぶりでしたが、年に一度くらいはご褒美に行きたいものです。。

近くだからと外苑前の銀杏並木を見に行こうかと思ったのですが、すごい人出のようだったので人混みが苦手な私たちはあっさり断念。この後ものんびりと、ぶらりお散歩を楽しんだのでした。

【L'AS（ラス）】東京都港区南青山4-16-3