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【ART】ピーター・ドイグ展 @ 東京国立近代美術館

2020年6月26日

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ランチの後に向かったのは、お馴染み東京国立近代美術館。

 

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日本初となるピーター・ドイグの個展ということで、こちらも昨年からとても楽しみにしていた展覧会。そして2月26日にスタート、その3日後の29日に休館することとなってしまい…。こちらも幻の展覧会になってしまうのではと心配していましたが、嬉しいことに6月12日より再会となりました。よかった、よかった。

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再開にあたっては時間指定の完全予約制となり、人の多さを心配することも無用。いつもより、かえってゆったりと観賞することができました。それでは1階奥の入り口よりスタートです(展覧会場は写真撮影可能でした)。

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スコットランド生まれのドイグは、カナダとトリニダード・トバゴで育ち、20代でロンドンへ。当時はダミアン・ハースト(!!)などの台頭で、いかにも”現代アート”な大型インスタレーション作品が主流のロンドン。そんな派手でセンセーショナルなアートが席巻している中で、ドイクはオーソドックスな大型油絵作品にて頭角を表します。当時油絵は「すでに時代遅れのメディア」なんて言われることもあったそうなので、そんな中で周囲に影響されることなく自身の作品を追求できることだけでも、凄いことだと感じます。

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初期の作品群。風景画ですが決して写生ではなく、どこかで見た景色や記憶の中の風景、さらにポストカードや映画のワンシーンなどから着想を得たもの。

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こちらは「13日の金曜日」のシーンに由来するのだとか。

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特に気になったのは手前の2作品、綿あめみたいなふわふわとしたパステルトーンに引き付けられます。そして油彩画の質感というか厚みは、作品を直接近くで見るからこそ伝わるものだと実感。これは図録をパラパラとしているだけでは分からないものですね。

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この「スキージャケット」はカナダで育ったドイクらしいテーマだと思いきや、トロント新聞に掲載された日本のスキーリゾートの広告だというから面白い。記憶の奥底を揺さぶられるような、どこか懐かしさを覚えます。。

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次の部屋に入ると、こちらにも引き付けられる作品が。オーディオガイドのよると、会場の作品の並び順はドイク本人と決めていったそうで、だからこそより伝わるものが多いのかもしれません(今回のオーディオガイドは女優の”のんさん”のナレーションによるもので、担当した学芸員さんのこぼれ話も満載で、とても楽しいものでした)。

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夢の中の一コマのような作品は、ドイツのポストカードから着想を得たものに、英国国立歌劇場で衣装係として働いていたドイク自身(左)が登場。キラキラとした風景の中に異質な二人が現れることで、どこか不穏な空気を感じるというか、

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第二章では、ロンドンから幼少期を過ごしたトリニダード・トバゴに拠点を移してからの作品を。

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モチーフも異なれば、描き方も厚塗りの油彩画から薄塗りになっています。こちらでもオーディオガイドを手掛かりに、作品のその奥にあるものを紐解いていきました。ふむふむ。。

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最後の第3章は一転して小ぶりなドローイングが並んでいる、その名も「スタジオ フィルム クラブ」。彼のスタジオの一角で毎週開かれていた映画の上映会のために描かれたものだそうで、それこそ羅生門からHANA-BIまで日本の作品もちらほら。

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気狂いピエロに、エレファントまで時代を超えた作品が!トリニダードにミニシアターがなかったそうですが、彼の視点で選ばれた名画やインディペンデント系の作品群に、近くにあったら必ず参加していたのに…と思う面白い作品セレクションでした。最後にこのドローイングで終わったのは、彼の人となりに触れることができたようで近しく感じたのでした。

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感染予防対策をしっかりしつつ完全予約制での再開。主催する美術館の方々は本当に大変なことと思いますが、こうして素敵な展覧会を開催してくれること、本当にありがたく感じます。観たい展覧会もたくさんあるので、私たちもしっかりと対策をしつつ”New Normal”に慣れていかなくてはですね。

カテゴリー:ART&CULTURE

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